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教育の準備
教育の準備 教育の準備

タイに赴任中の家族にとっての懸念事項が、日本に帰国してからの子どもの教育。どの学校に、いつ、どのようにして入学・編入するかは、子どもの今後の人生に大きく影響してきます。

中学
 日本では首都圏を中心に、国立や私立の中学校受験熱は相変わらず高いままです。現在は海外に滞在中だが、子どもが中学校に上がる際には日本国内の学校を受験させたいと考えている保護者の方も多いはずです。成長著しい時期に受ける教育は、学習面だけでなく、人格形成上も子どもの生涯に大きな影響を与えるもの。帰国生の親として「中学受験」の実体とその準備について確認し、子どもと一緒に中学生活を見据えましょう。
 
帰国生の受け入れ体制
 帰国生の多くが受験するのは、帰国生の受け入れ体制がある中学校。この種の中学は、その受け入れ体制に従って、3つに大別されます。
 第1は、帰国生を対象に、学習形式が異なっていた教科の補習や日本の学校生活への適応指導をすることを理念として、受け入れを行う中学。第2は、帰国生の海外経験や外国語能力を活かし、伸ばすことを理念として帰国生を受け入れている中学。こうした学校では、帰国生のみの外国語や補習の授業を設ける場合が多いようです。第1と第2の中学校は、海外に比較的長く滞在した子どもにも過ごしやすい環境です。第3は、帰国生をあえて特別扱いしないことを理念とする中学。入学後は国内生と同じ学級に受け入れて、同様のカリキュラムで指導します。日本語力が充分ある生徒でなければ授業に対応するために相当な努力が必要となります。ただ、そのぶん高いレベルの学習を提供している学校であれば、国内生と同じく学ぶことができ、卒業後の進路も国内生と同じように考えられます。また日本の学校生活への適応も早く実現しやすいでしょう。

受験するための条件
 帰国生枠で受験するために必要な条件は主に3つ。1つ目は海外滞在年数。2年以上とする学校が多いです。2つ目は帰国後の期間。帰国後1年以内から規定なしまでさまざまです。3つ目は、海外で在籍した学校の種類。日本人学校のみに在籍していた子どもは、帰国生として受け入れられない場合があります。ただ、規定の条件に合わなくても個別の相談に応じてくれる学校も多いので、直接問い合わせてみましょう。また、事前に面接や書類審査で条件の確認を行う学校もあるので、注意しておきたいところです。

選考方法
 英語を中心とした外国語試験や適性試験を課す学校があります。また、帰国生の特性を総合的に評価する目的で、作文や面接を付加する学校も多いです。

タイ滞在中にしておきたい準備
 中学受験の準備はタイ滞在中から少しずつ始めましょう。志望校選択時におけるインターネットでの情報収集や、学校訪問の準備はもちろんのこと、出願書類を入手し、指示通りに提出書類を揃えるなど事務的な準備も必要です。また、選考内容に基づく学習の準備も重要課題。受験生となる子どもを上手にサポートするべく、保護者として知識と心構えを持ち、いざというときに慌てないようにしておきましょう。

公立中学校という選択肢
 子どもにとって、帰国後の最優先課題は、学校生活をスムーズにスタートして日本での居場所を見つけることです。義務教育年齢であれば、居住区の公立の中学校にいつでも学齢通りに編入可能であり、無償で教育を受けることができるということも念頭に置いておきましょう。通学に長い時間がかからず、クラブ活動にも無理なく参加でき、近所に友人もいて、地域社会の一員としての意識も自然に育まれます。
 帰国生の多い地域の公立の中学校には、受け入れのノウハウもあり、サポート体制が充実した学校もあります。教育委員会から承認されれば、学区外からの転入も可能。文部科学省では、「帰国・外国人児童生徒と共に進める教育の国際化推進地域事業」として、毎年全国で30を超える地域を指定しています。指定された地域内にある学校は、円滑な受け入れと適応教育に関する総合的な研究を行っているケースもあるので、文部科学省のサイト(www.mext.go.jp)をのぞいてみるのもいいでしょう。
 中学を受験する場合、どうしても志望校の情報収集が先行し、公立校の教育を把握していないケースが目立ちます。しかし、受験ではいい結果が出るとは限らないので、入学する可能性のある学校の一つとして、初めから選択肢に入れておくことが大切。受験が失敗した場合の最悪の選択肢、といった否定的な先入観を子どもに与えることのないよう、注意しておく必要があります。
高校
 高校受験というと、概してその先にある大学進学だけを意識してしまう傾向が強いものです。もちろんそれも重要ですが、学校選びの時点で、将来どのような職業につきたいか、大学では具体的に何を専攻したいのかといったことも視野に入れておくことが大切。帰国生の親として「高校受験」の実態とその準備についてしっかりと確認し、後悔することのないよう、子どもと一緒に海外にいるときから意識を高めておきましょう。

帰国生の受け入れ体制
 日本にある高校に入学または編入する場合は、必ず選考試験を受けて合格しなければならず、それは帰国生といえども例外ではありません。とはいえ、帰国生を積極的に受け入れる高校は、国立・公立・私立を問わず、全国で増加傾向にあり、その多くが選考の際に特別枠を設けるなど帰国生に何らかの配慮を行っています。このことは、帰国生にとって喜ばしいことと言えるでしょう。受け入れの体制は、以下の3つに大別されます。

①帰国生の受け入れを主な目的としており、入学後は補習や語学の特別クラスを設けるなど、「受け入れ体制」が充実している学校
 全国で10校以下と数は少ないですが、生徒総数に占める帰国生の割合が極めて高く、現地校やインター校に長く在籍した生徒にも過ごしやすい環境となっています。
 
②帰国生受け入れが学校の主な目的ではないが、一般とは別に「帰国生枠」を設け、入学後には何らかの「受け入れ体制」を持つ学校
 多様な選考方法があり、補習や語学クラスの有無など入学後の対応もさまざま。3種の中で最も校数、すなわち選択肢が多いといえます。

③「帰国生枠」は設けるが、特別な「受け入れ体制」はない学校
 選考は国内一般と同一問題で行い、合格基準点を下げる、現地での成績や活動など学科以外の要素も評価対象とするなどの配慮をしますが、入学後は国内生とまったく同じ指導が行われます。

受験するための条件
 帰国生枠で受験をする際の基本的な条件は、次の2つ。
①すでに海外・国内あわせて9年の学校教育課程を修了している、もしくは入学年の3月末日までに修了見込みであること。

②海外の学校での継続在籍年数が一定以上あり、その上で帰国から受験までに年数が経過しすぎていないこと。

 継続在籍年数は学校によって異なりますが、2年以上とされることが多いです。また、帰国から受験までの期間の規定は多くが1年から3年以内です。同じく「海外の学校」を現地校かインター校在籍者に限定する学校もあるため、海外の全日制日本人学校在籍者はその点をよく確認する必要があります。ただし日本人学校在籍者に、別枠の帰国生枠を設ける学校があることも知っておきましょう。
 ほかに、入学後は保護者との同居を求める、通学地域に指定を設ける(主に公立校)、保護者帰国後の本人のみの海外残留を認めない、本人のみの留学を認めないなどの条件を追加する学校もあります。受け入れ校の多くには帰国生担当の窓口があり、不明な点があれば担当の教職員が個別相談に応じてくれるので直接問い合わせてみましょう。

選考方法
 国公立校の一般入試科目は、英語・数学・国語・理科・社会の5教科。多くの私立校では英語・数学・国語の3教科の学科試験の成績を中心とした選考を行っています。しかし、帰国生入試では、国公立校であっても、教科数を3教科に軽減したり、海外で受けた教育の特徴に配慮して、学科試験だけではないさまざまな観点から帰国生の能力を評価できるよう工夫がされていることも多いようです。

タイ滞在中にしておきたい準備
 高校受験への心の準備、実務的な準備も、海外滞在中から少しずつ始めておきましょう。将来は何の職業に就きたいのか、大学に進学するとしたら専攻はどうするか、また、大学は日本か海外か。将来のイメージを膨らませ、まずは志望する進路に必要な科目を選択できる学科を持つ高校を選ぶことが大切です。例えば日本の国立大学の受験を考えているなら、センター試験や二次試験で必要な科目を選択できるかを調べます。海外の大学を視野に入れるなら、語学力を伸ばせる環境を選ぶ必要もあるでしょう。

親として受験の見据え
 自我がまだ十分に確立されていない年齢で行う中学受験と違い、保護者の理想通りにいくとは限らない高校受験。ちょうど大人へと成長する時期に差しかかっている子どもが、将来について真摯に考え始めているのなら、まずはそれを聞いてあげましょう。帰国の時期についても十分な考慮が必要。高校入学時・編入時がよいのか、大学入学に合わせるほうがよいのか、よく検討しましょう。
 また、思春期に日本以外の学校文化を経験した子どもは、日本にも海外にも属さない独自のアイデンティティを持っていることが多いです。帰国後は、日本にいる同年代の仲間の中で、さらに自分を築く作業を続けることになります。部活動、あるいは語学の授業など、何でもよいからとにかく本人が自分の居場所と思える環境があると、適応がスムーズになり有意義な時間を過ごせます。学校選択は、こうしたことも踏まえて、親として的確にアドバイスをしてあげましょう。
大学
 帰国生枠での大学入試は、日本全国にある大学のうちの約55%、400以上の大学で年間を通して行われ、その数は増加傾向にあります。この入学選考は、一般入試とは別内容で行われ、大学側が一般生とは異なる視点から帰国生を評価するものです。
 帰国生枠での大学受験を考える場合、最初に確認しておくべきは、子どもの志望大学が提示する帰国生枠の条件を満たしているかどうか。海外で学校に通った年数、統一試験の取得スコア状況、帰国の時期などにより、枠から外れる可能性もあり得ます。まずは、それらの条件を確認した上で、おおよその年間予定なども頭に入れておきましょう。

受験するための条件
 帰国生枠での出願資格は、大学(学部・学科)によってさまざま。次に示したのは、あらかじめ確認しておく必要のある主な条件です。

①海外での学校種別
 対象は「海外で外国の学校教育を受けた者」で、在外教育施設に通った者を含まないケースも多いです。

②海外の学校での在籍期間
 多いのは学校教育課程12年間のうち、「海外の高校に最終学年を含めて2年(または3年)以上継続して在籍している」こと。

③帰国前後の日本の高校在籍
 渡航前の在籍期間が制限されていることも。また、海外の高校卒業を条件とする大学(学部・学科)が多い中、帰国後の日本の高校在籍が年数制限付きで認められる場合もあります。

④高校卒業後の経過年数
 当該年度の卒業(または卒業見込み)者限定の場合と、過年度の卒業者にも受験を認める場合があります。

⑤飛び級・繰り上げ卒業
 学校教育課程の12年以下での卒業は、一般的には成績優秀などの理由であれば、認められることが多いです。

⑥単身残留
 多くはありませんが、海外赴任を終えた保護者の帰国などにより、単身で残留した者の受験が認められる場合もあります。

選考方法
 帰国生枠の大学入試選考は、「海外在籍校での成績や統一試験のスコアなどを含んだ出願書類の審査」と「大学が独自に行う入試の成績」の2つの判断基準を中心に行われています。どちらをどの程度重視するかは、大学(学部・学科)によって異なりますが、おおよそ次の3つに大別できます。

①出願書類重視型
 出願の際に提出される書類を重視して選考する方法。提出が課される出願書類は、各国の教育制度に基づく統一試験のスコア、海外在籍校での成績や活動歴、語学運用能力試験のスコアなど。多くは、学科試験を行わず、書類のみ、書類と面接、小論文などを組み合わせて審査します。

②入試成績重視型
 外国の教育制度や水準が国によってまちまちで、一定の基準を設けて評価することが難しいため、各大学が実施する独自の入学試験の成績を重視する選考方法。内容は、学科試験、小論文、面接(学科面接を含む)の組み合わせで実施する大学が大多数で、基礎学力や学習意欲などが評価されます。

③出願書類・入試成績併用型
 出願書類の審査と入試成績両方を評価の対象として選抜する方法で、評価比率は大学(学部・学科)によって異なります。出願書類の審査を第一次選考とし、 合格した者のみを対象に第二次選考として入試を行う場合もあります。

タイ滞在中にしておきたい準備
 複雑で多様化する大学入試に対応するためには、タイ滞在中からの準備が必要です。早めに情報を収集し、一時帰国時にはなるべく大学訪問などをして志望校(学部・学科)を決めるといいでしょう。出願書類は余裕を持って入手し、過不足なく書類を揃えて期限までに提出すること。選考方法に合わせた学習の準備も大切です。これらのことを現地での学習や生活を最優先にしながらこなしてゆくことが、受験を乗り切る秘訣となるでしょう。

保護者としてできること
 子どもが大学進学を考えるとき、まずは日本か海外かという大きな方針をしっかりと話し合っておきましょう。仮に日本の大学受験を考えるなら、帰国時期について配慮するのは保護者のつとめです。
 また、日本か海外かの選択の際は、帰国生の中には、海外の大学からの入学許可を保持しながら、帰国生入試にチャレンジする人や、日本の大学入学後、長期・短期留学や研修制度で海外の大学に行く人が増えていることも知っておきたいところ。大学受験成功の秘訣は、子どもが将来の仕事や学びたい分野を考え、それに近づける大学(学部・学科)を探せるかどうかにかかっています。有名大学を出たから就職は大丈夫、という時代は終わりました。大学で何を学んできたか、それをどう社会で活かすのか、それが問われる時代になっているからです。
 保護者としてできることは、子どもが自ら進路を考え、そのための準備ができるような環境を整えること。受験料や入学後の出費に備えておくこと。そして何より温かく支える心を持ち、心身の健康状態に気を配ることです。
(出典/帰国便利帳)