腕時計を装着する際に気になるのが「ベルトの長さが合わない」こと。
人の腕周りは千差万別なうえ、特に海外ブランドの腕時計の場合、ベルトの長さが大きめに作られていることもあり、ベルトが緩くてしっくり来ない経験をした方も多いのではないでしょうか?
そんな時に行いたいのがベルト調整。今回は、腕時計のベルト調整方法から、ベルトの種類ごとに必要な工具の紹介、調整時の注意点などを解説していきます。
腕時計のベルトを調整したい方、自分でやってみたいという方はぜひご覧ください。
腕時計のベルト調整は自分で出来るの?
腕時計のベルト調整は時計店や修理専門店に依頼すれば行ってくれますが、もちろん自分で行うことも可能です。
ただし、ベルト調整には腕時計の種類に応じた工具の選択や、ベルト取り外しの知識・技術がある程度必要となってきます。
初心者の方は、事前に工具の準備や調整の仕方などの知識を覚えてから行うのが良いでしょう。
ベルト調整時の注意点
続いて、ベルト調整の際に知っておきたい注意点について確認します。
自分で腕時計のベルト調整を行う際は、以下の点に気を付けて実施しましょう。
ベルトの種類を把握しよう
ベルト調整を行う際は、事前に自分が使っている腕時計のベルトがどんなタイプなのか、その種類を把握しましょう。
腕時計のベルトの仕組みにはいくつかの種類があります。
- ピン式/割ピン式
- 板バネ式
- フリーバックル式
- 革バンド
それぞれに合った工具を使った調整方法となるため、まずは自分の腕時計をチェックしてどんなタイプのベルトなのかを確認していきます。
作業前は身の回りをきれいにしておく
ベルト調整をする際は、ピン・ネジなど非常に細かい部品が取り外されることになります。
小さくて見えづらい部品ばかりですので、落としたりして失くしてしまうと、最悪組み立てが不可能になり、余計な修理費用や部品代が掛かってきてしまいます。
作業前には身の回りを整理整頓し、きれいな状態で行っていくのが鉄則です。
技術面で不安がある方は無理せず専門店に依頼
先述した通り、ベルト調整には専門の工具を使用したり、種類ごとに行う作業が違うなど、ある程度の知識・技術が必要となります。
初心者には到底無理な作業ではありません。しかし自分の腕に自信がない時、途中で手順が分からなくなった際は、無理せず専門家に依頼するのが無難です。
ベルト調整だけなら、ブランドによりますがそこまで高額な依頼料金は掛かりません。故障・紛失してしまうよりも安上がりになるので、「無理はしない」を頭に入れておいてください。
ちなみにベル調整を専門店に依頼する際は、数千円程度が相場。高級ブランドなどは少し高めの価格設定になっていることもありますが、オーバーホールのような高額な費用は掛かりません。
腕時計のベルト調整に使う工具を紹介
腕時計のベルト調整には専用の工具を用いるのがおすすめ。
コンパスの針など、細長い金属で代用することは出来ますが、思いがけず傷つけてしまうなどの危険があります。
ホームセンターやAmazonなどのネットショップで安く購入できるので、なるべく専用工具を揃えてから実施するのが良いでしょう。
腕時計のベルト調整に使う代表的な工具は以下の通りです。
- 精密ドライバー
- ピンセット+絶縁ピンセット
- バンド固定台
- ピン抜き棒
- 調整用ハンマー
- バネ棒はずし
- ベルトパンチ
- ペンチ
ひとつずつ簡単に解説していきましょう。
精密ドライバー
ネジ式の裏蓋やムーブメント部品に用いられるネジを開けるのに適したのが精密ドライバー。
腕時計に使われるネジは非常に小さく、繊細かつサイズに合ったドライバーを使わないと、ネジがなめる(潰れる)原因となるため、必ず用意しておきたい工具のひとつです。
ピンセット+絶縁ピンセット
腕時計のベルト調整では細かい部品を分解する作業となるため、小さくて手で掴みにくい部品はピンセットを使うのがおすすめ。
磁気が弱点である腕時計には絶縁処理が施された絶縁ピンセットがあるとなお良しです。
バンド固定台
腕時計のベルト(バンド)を固定するための台。
ステンレスやチタンなどの金属製腕時計のバンドピンを取り外す際に重宝する工具です。
ピン抜き棒
金属製腕時計のベルト調整において、バンドのコマ調整に使うピン抜き棒。
取り外すピンのサイズによってピン抜き棒にもいくつかのサイズが用意されています。
調整用ハンマー
主に金属製腕時計のピン抜きに使う調整用ハンマー。
コマ調整などでピンを抜く際、ピン抜き棒をハンマーで叩くことでピンを取り外します。
バネ棒はずし
ベルト部分を取り外す際に使うバネ棒はずし。
革製ベルトの場合、バネ棒のV字になっている側を使って本体とベルトを分解することができます。
ベルトパンチ
革製ベルトの調整時、革に穴を開けるための工具。
腕時計の革製ベルトに穴を開けることでよりきつくベルトを締める事が可能となります。
開ける穴のサイズを調整できるパンチ工具も中にはあります。
ペンチ
金属製腕時計のベルト調整において、ピン抜きなどで用いると便利なのがペンチ。
手では取りづらいピンも、ペンチなら簡単に挟んで抜き出すことが出来ます。
専用のものでなければならない訳ではありませんが、持っていると何かと便利です。
ベルト調整用工具の価格
腕時計のベルト調整用工具は、単品で揃えていくよりもセット販売されているものが安くておすすめ。
ホームセンターやAmazonなどのネットショップで手軽に手に入るため揃えやすいです。
特にAmazonでは値引きも入ってかなりの格安で腕時計用の工具セットが購入できるので、初心者の方ならまずは安いもので揃えていくのが良いでしょう。
工具セットのおすすめは以下の通り。
YFFSFDC:腕時計修理工具セット:685円
1,000円以下で購入できる腕時計用の工具セット。
初心者の方向けで、誰でも手軽に購入できる価格の安さがメリットです。
最低限、ベルト調整に必要な工具は揃っているため、まず手始めにという気持ちで工具をそろえたい方にはうってつけです。
E·Durable 時計工具 腕時計工具セット 168点セット:1,980円
精密ドライバーやハンマー、ピンセットなど、ベルト調整に必要な工具はもちろん、時計本体部分の分解・組み立て・清掃にも使えるものなど、腕時計に関するあらゆる作業に適した工具はほとんど揃えられたセット。
「足りないものがない」を実現できる工具セットのため、初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応しています。
一度揃えてしまえば、後にベルト掃除などで分解する際にも使える点もお得です。
腕時計のベルト調整まとめ
今回は、腕時計のベルト調整について、ベルトの種類や必要な工具の紹介、そして調整時の注意点などを解説していきました。
最後に内容を以下の通りまとめておきます。
- 腕時計のベルト調整は自分でもできる
- ある程度の知識・技術が必要なため事前に覚えておく
- 失敗すると余計な修理費用が掛かるため不安なら専門店に依頼するのが良い
- 自分のベルト種類に応じた専用工具の準備する
- 腕時計の工具はセット購入がおすすめ
以上のようにしっかりとした準備を行えば、自分でも腕時計のベルト調整は手軽に行うことができます。
腕時計は自分の肌にフィットしてこそ、使い心地が良くなり愛着も沸いてきます。
緩くてしっくりこない腕時計を装着して困っている方は、ぜひ一度ベルト調整を試してみてください。
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