普段、何気なく付けている腕時計でも、装着する位置や向きによって人に与える印象は異なります。
またビジネスや冠婚葬祭、プライベートと、付けるべき腕時計・付けてはいけない腕時計がシチュエーションによって変わる場合もあるのです。
そこで今回は腕時計の装着する位置について、正しいポジションやおすすめの装着向きなどをご紹介するほか、シチュエーションごとに付ける腕時計の種類をご紹介していきます。
腕時計を付ける位置に「正しいポジション」はある?
腕時計を付ける位置について、正しいポジションというものはあるのでしょうか?
結論から言うと、時計をはめる場所に厳格なルールというものはありません。
ただ、一般的に多くの人が付けている位置というものはあります。それは理にかなった場所であり、最も自然な位置と言えるでしょう。
また、選ぶ腕時計の種類については、冠婚葬祭やビジネスシーンなど、シチュエーションによって望ましい腕時計というものが存在します。
まずは、腕時計を付ける位置のおすすめをご紹介し、それぞれのメリット・デメリットを解説し、後半にはシチュエーションごとの望ましい腕時計の種類についても確認していきます。
自分にとっての最適な腕時計と装着する場所を探したいという方はぜひチェックしてみてください。
腕時計を付ける位置・ポジションのおすすめ
腕時計を装着する場所が腕・手首になった歴史は戦時中にまで遡ります。
それまでポケットから取り出して見る懐中時計が主流でしたが、19世紀後半頃からの戦争をきっかけに、両手を自由に動かしながら、すぐに確認できる腕時計が軍人を中心に広まっていきました。
ファッションとして一般人にも広まった腕時計はそこから大きく変わることなく腕に取り付ける形として世界に普及しています。
ここでは、現代の腕時計を装着する際のおすすめのポジションについて深掘りしていきましょう。
左腕に装着するのが基本
まず「どちらの腕に装着するか」という問題ですが、「左腕」に装着するのが一般的です。
というのも、腕時計のゼンマイを巻いたり、時刻を調整するためのネジ「リューズ」は、右利きの人が右手で操作がしやすい場所に取り付けられているから。
世界的に見ても右利きの人が多いことから、腕時計の部品も右利き用に構成されていることがほとんどなのです。
そのため、腕時計は右利きの人の利き腕とは逆である左腕に装着するのが基本なのです。
ただ、なかには左利きの人向けに設計・デザインされた「レフトハンドモデル」の腕時計も存在します。
レフトハンドモデルの時計を持っている方なら、右腕に装着するのはもちろん問題ないでしょう。
手首(尺骨茎状突起)より下に装着するメリット・デメリット
「腕のどの位置に装着するか」を考えると、手首の外側に出っ張った骨(尺骨茎状突起 – しゃっこつけいじょうとっき)を基準として、そこより上(腕側)に付けるか下(手側)に付けるかのどちらかに分かれます。
まずおすすめしたいのが、尺骨茎状突起から少し下にズラした位置、手の甲に少しかかるくらいのポジション。
この位置に時計を装着する場合、いくつかのメリット・デメリットがあります。
- ベルトにゆとりがあるため手首の締め付けが無くて楽
- 長袖の服から出て隠れないので時刻を確認しやすい
- 長袖でも時計が見える位置にあるため自慢の時計を周囲にアピールできる
- 手首を動かすたびにリューズや掌底が当たって痛みを感じる場合あり
- 手を洗う際に水がかかるリスクがある
手首(尺骨茎状突起)より上に装着するメリット・デメリット
手首(尺骨茎状突起)より上、二の腕付近に装着するのもおすすめです。
このポジションに時計を装着した場合のメリット・デメリットは次の通り。
- 半袖や七分袖の服なら見た目のバランスが良くお洒落に見える
- キツめにベルトを締めるため腕を動かしてもズレずに安定する
- 手を洗う際に水がかかりにくいので安心
- ベルトを少しキツく締めるので肌にベルトの跡が付きやすい
- 時計が袖に隠れるため時刻を確認するのに袖をまくる手間がある
このように、腕時計の装着する高さによって良い面・悪い面があるため、両方を試しながら、自分自身でしっくりくる場所に装着してみましょう。
文字盤の向き(裏表)のおすすめとメリット・デメリット
腕時計の本体であり、時刻が見られる「文字盤」。
腕時計の装着時は、この文字盤の向きを腕の表側にするか裏側にするかでも、見た目の印象や便利さが変わってきます。
やはりおすすめは文字盤を表側に装着すること。
一般的かつオーソドックスな向きで、世界中の人の多くは文字盤を表側にして外に時計本体のデザインが見えるように装着しています。
ですが、裏側(腕の内側)に文字盤を持ってくる付け方にもメリットがいくつかあります。
続いては文字盤の向き、それぞれのメリット・デメリットを確認しましょう。
文字盤を表(外側)に向けるメリット・デメリット
- 時計本体のデザインが外に向けられていて見栄えが良い
- デスクワーク中などは常に文字盤が見える位置で見やすい
- 肘を少し上げる動作が自然で理にかなった見方ができる
文字盤を裏(内側)に向けるメリット・デメリット
- 時計デザインが内に隠れているため見栄えがあまり良くない
- 日本では女性らしい印象が与えられる
- 逆に日本で男性が行うと男らしくない印象を与えてしまう
- 商談中・接客中・試験官など文字盤を見せたくない時には最適
- 混み合う場所で肘を上げたくない場合でも文字盤が見られる
文字盤を腕の裏(内側)に向けるという腕時計の付け方は、実は日本独特のもの。
日本の和服には「身八つ口(みやつくち)」と呼ばれる、授乳などを行うための脇に開けられた穴があります。
表(外側)に文字盤を向けると肘が上がるため、そこから胸が見えてしまうリスクを避けるため、文字盤を内側に向ける文化が広まりました。
そのため、内側に文字盤を向けるのは、日本では女性らしい印象を与えるため、女性にはおすすめしたい付け方です。
ただ、ビジネスシーンの一部では内側に文字盤を向けるのが便利な側面もあるため、男性でも必要なら行っても問題ないでしょう。
シチュエーションで選ぶ腕時計
結婚式やお葬式、そして商談や営業先などのビジネスの場。それらシチュエーションに応じて装着する腕時計は変えていくのが基本です。
冠婚葬祭とビジネスシーンで選ぶべき時計、そして選んではいけない種類の時計について確認してききます。
冠婚葬祭で選ぶ腕時計
- 結婚式などフォーマルな場ではメタルバンド
- お通夜・告別式では黒革バンド
- 派手なカラーの時計やGショックはNG
結婚式などのめでたい席の服装はスーツやドレスが基本。
フォーマルな場所でのこれら服装に合うのはやはり金属製の時計です。
逆にお通夜・告別式などの弔事では、ギラギラした時計は避けましょう。ベルトは黒革のもので、色味の少ない黒と白を基調としたシックなデザインの時計が望ましいです。
間違っても派手なカラーリングのものや、Gショックのようなカジュアル時計は付けないように注意しましょう。
ビジネスシーンで選ぶ腕時計
- メタルバンドの金属製腕時計が王道
- 革バンドでシックにキメるのもOK
- 派手なカラーのやGショックなどは不向き
ビジネスシーンでも、おすすめは金属製のメタル時計。
スーツの色味に金属の時計が映えるので、男女ともにおすすめです。
もちろん革製のバンドでも問題ありません。
Gショックなどのカジュアル向け時計は、残念ながらスーツには合いません。職場だとしたらかなり場違いですので避けましょう。
まとめ
今回は、腕時計の付けるポジションや向き、そしてシチュエーションで選ぶべき腕時計の種類などをご紹介していきました。
最後に本記事を振り返ると以下の通りです。
- 腕時計を付ける位置・向きについて厳格なルールは無い
- 装着する高さは手首より上か下でメリット・デメリットがある
- 文字盤の向きは裏表(内外)があり、それぞれ特徴やメリットがある
- 冠婚葬祭やビジネスシーンなど、シチュエーションによって時計の種類は慎重に選ぼう
冠婚葬祭など一部のシチュエーションを除くと、基本的に時計の装着の仕方は人それぞれです。
装置する位置・向きを試しながら自分に合ったポジションを見つけていってください。
- 腕時計のつける位置
- 腕時計のベルト調整
- 腕時計の保管方法
- 腕時計のベゼルの外し方
- 腕時計を長持ちさせる方法
- 蛇腹ベルトの交換