自分へのご褒美で購入したり、大切な人から貰ったお気に入りの腕時計。
数か月後に動かなくなってしまったという経験はありませんか?
今回は、腕時計を長持ちさせるために知っておきたいことについて解説していきます
高級時計の本体寿命は何年?長持ちする?
安物の時計と比べ、 高級な腕時計なら一生涯使えると思っている方も多いはず。
ですが、実際のところ高価な腕時計にも寿命があります。
各種腕時計ごとの一般的な本体寿命は次の通り。
時計の種類 | 特徴 | 本体寿命 |
クォーツ式時計 | 電池で動く | 10年 |
ソーラー式時計 | ソーラー電池で動く | 10年 |
機械式時計 | ゼンマイを巻き上げて動く | 50年 |
クォーツ時計やソーラー時計の場合、電池切れによる停止のほかに、針を動かすための電子回路の故障があります。
心臓部とも呼べる電子回路が経年劣化や衝撃による破損で壊れた場合、たとえ電池交換をしても直ることはありません。また、一度電子回路が故障すると修理は難しい場合も多いため、買い換える必要が出てきてしまいます。
そのため日々のメンテナンスや保管が、腕時計を長持ちさせるために重要なポイントとなってくる事を知っておきましょう。
メンテナンスによって寿命は変化
腕時計は身につけるものとして広く親しまれている物ですが、あくまでも中身は精密機械。雑な扱いを続けていれば、機械の寿命は縮まり、壊れやすくなるものです。
逆に言うと、腕時計はメンテナンス次第では機械本体の寿命を延ばすことが可能だという事。
日々できる何気ないお手入れを習慣づけることで、不要な買い替えを抑え将来的なコストパフォーマンスを向上させることができるのです。
安い腕時計は寿命が短い?
高級時計と安物時計では、時計本体の寿命はどう違うのでしょうか?
単純に時計を製作・販売するブランド力のみで値段高い・安いが決まるだけなのでしょうか?
答えはノー。高級腕時計は単なるネームバリューだけではなく、耐久性や品質に大きな差があります。
例えば時計ブランド・ロレックスの人気製品「サブマリーナー」では最高級のステンレス素材(オイスタースチール)が用いられています。
オイスタースチールは904Lスチール系統に属し、最も一般的には、最高の耐蝕性が不可欠なハイテク産業や航空宇宙、化学産業で使用されている。オイスタースチールは非常に耐久性があり、研磨性にも優れている。どれほど過酷な環境下でも、その美しさを保ち続ける。
ロレックス
これらの耐蝕性、耐久性に優れた時計は、メンテナンス次第でその寿命が10年以上続きます。
それに対し、安物の時計ではランクの下がるステンレス素材が使われており、必然的にその耐久性にも差が生まれ、結果、本体寿命も短くなるのです。
腕時計を長持ちさせる5つの方法
腕時計の寿命を伸ばすために必要な日々のお手入れ、メンテナンスについて解説していきましょう。
簡単に毎日行える腕時計のメンテナンスは以下の通り。
① 水・湿気は出来るだけ避ける
腕時計の弱点として代表的なのものが「水・湿気」です。
例えば、一般的な針が動くタイプの腕時計で主流となっているクォーツ式時計は、その名の通り、埋め込まれた「クォーツ(水晶)」が電子回路により1秒毎の正確な振動を繰り返す仕組み。
このように腕時計はとても精密な機械であるため、水や湿気は、サビなどによる故障の原因になるため注意が必要です。
気を付けてほしいシチュエーションの例を挙げると、、、
- キッチン・風呂場などの水仕事で装着する
- 海で腕時計を装着したまま海水に浸る
- 腕時計を付けたまま運動して汗が付着する
- 真夏の炎天下で長時間装着する
仕事などでこれらの条件を避けられない場面もあるかもしれません。ですが、高いお金で購入したお気に入りの腕時計ですので、できる限り危険なシチュエーションは避けていきましょう。
② 磁気帯びに近づけない
腕時計にはもう一つ気をつけなければならない弱点があります。それは「磁気帯び」です。
鉄を磁石に近づけると鉄が「磁力」を帯びることがあり、これを金属の磁化(磁気帯び)と呼びます。
多くの金属部品が使われている腕時計が磁気帯びしてしまうと、正確な感覚で秒数を刻む針の動きに乱れが生じたり、針が停止してしまう原因となります。
磁石や磁気を帯びた物の近くに腕時計を長時間近づけておくことは、故障のリスクが上がるため、水や湿気と同様にできる限り避けたいところです。
身の回りにある磁気が発生すると言われる物は主に電化製品が挙げられます。
- 磁石
- 電子レンジ
- パソコン
- スマホ・携帯電話
- 携帯オーディオ etc…
特にスマートフォンやパソコンは日頃から手元にある電化製品。これらと腕時計を密着させるのは避けましょう。
ただし安心してほしいのは、これら電子製品の磁気の影響を受けるのは「密着」した状態であるという条件が付きます。
概ね10〜30cmほど離れた状態なら気にするほどの磁気の影響を腕時計が受ける可能性は低いです。
「稼働中の電化製品の上に腕時計を長時間置きっぱなしにする」といった事は絶対に避けるという心構えで対応していきましょう。
③ バンドは少し緩めて付ける
腕時計を付ける締め付け具合は緩めとキツめがあり、好みで分かれますね。
ただし、腕時計の寿命をできる限り長持ちさせるという観点で言えば、少し緩めに付けるのがおすすめ。
ベルトが金属製の腕時計の場合、皮脂・汗が金属部分の裏や溝に付着し、サビの原因となりいます。
バンドが革タイプの腕時計の場合も、汗による革の変色のリスクも高くなる傾向があります。
きつく締めすぎると腕の血管の圧迫などの負担も少なくなるメリットもあるため、できれば指一本が入るくらいの隙間を開けて取り付けるのが、衛生的にもおすすめです。
④ 適切な場所に保管する
腕時計にはその種類ごとに適切な保管方法があります。
- 平らで安定した場所に置き保管する
- クォーツ時計は直射日光を避け風通しの良い場所に保管する
- ソーラー式時計は真っ暗な場所での保管を避ける
クォーツ時計は電子回路への影響を考え、直射日光を避けた場所に保管するのが鉄則。
ソーラー式時計の場合は逆に、引き出しの中などの真っ暗な場所での保管は、電池切れによる停止を招くリスクがあるため避けましょう。
⑤ 日々のメンテナンス
腕時計の寿命を伸ばすために必要な日々のお手入れ、メンテナンスについて解説していきましょう。
簡単に毎日行える腕時計のメンテナンスは以下の通り。
- 使用後は乾拭きして汚れをしっかり落とす
- 機械式時計は定期的に巻き上げする
まず、使用後の乾拭きはどの種類の腕時計でも必ず行いたいメンテナンス。汗や皮脂などはサビの原因となります。セーム革をはじめとした乾いた布を使い、しっかりと汚れを落としましょう。
機械式時計は定期的にゼンマイの巻き上げを行い、針を動かし続けることが故障のリスクを軽減する重要なポイントとなります(自動巻き時計は基本不要)。
まとめ
以上、今回はお気に入りの腕時計を長持ちさせるための知識・方法についてご紹介しました。
- 高価な腕時計にも寿命はある
- 水・湿気・直射日光は避けよう
- 電化製品など磁気から離して置く
- 日々のメンテナンスは長持ちさせるのに必須
- 保管場所にも気をつけて電池寿命も長くする
腕時計は身近な存在であるがゆえに、精密機械だという事を忘れて雑な扱いをしてしまいがち。
実際には他の精密機械と同じく、水や湿気、磁気などの弱点があることを再認識していきましょう。
寿命がある機械だからこそ、日々のお手入れをすることで、長く愛用できる物にしていきたいところですね。
- 腕時計のつける位置
- 腕時計のベルト調整
- 腕時計の保管方法
- 腕時計のベゼルの外し方
- 腕時計を長持ちさせる方法
- 蛇腹ベルトの交換