お気に入りの腕時計を長持ちさせるために、自分でメンテナンスをしようと考える方も多いでしょう。
そんな時に必要になってくるのが腕時計専用の工具です。
電池交換や、分解してのベルト調整。そしてクリーニングなど。
これら腕時計のメンテナンスには専用の工具を使うことでより安全・簡単に部品の取り外し・分解が行えるようになります。
今回は、腕時計のメンテナンス時に使われる工具について、目的別にご紹介していきます。
腕時計のクリーニングや電池交換を自身でやってみたいという方はぜひ本記事をチェックしてみてください。
腕時計の電池交換に使う工具
腕時計の電池交換に使う専用工具について確認していきましょう。
電池交換のためには時計の裏蓋(うらぶた)を開ける必要があるわけですが、裏蓋には主に「スクリュー式」「こじ開け式」「ネジ式」の3種類が存在します。
種類別に使用する工具が異なるため、自分の腕時計に合った工具を選びましょう。
3点支持オープナー
裏蓋の端に溝がある「スクリュー式」の裏蓋を開ける際には、専用の工具「3点支持オープナー」を使用します。
裏蓋にある溝にオープナーの凸部分をハメ込んで回すことで、裏蓋を回して開けることができます。
固定台
スクリュー式裏蓋を開ける際に使用する固定台。
腕時計本体を固定台に載せ、3点支持オープナーを使って裏蓋を回して開けていきます。
こじ開け
裏蓋に溝がない「こじ開け」タイプの腕時計の場合、裏蓋を開けるためには文字通りこじ開け用の工具を使用します。
先端の薄く幅広い金属でできており、裏蓋の隙間にハメて、てこの原理で蓋を外します。
裏蓋プレス機
こじ開け式の腕時計で開けた裏蓋を元に戻す際に使用します。
時計を固定しながらプレスして裏蓋を隙間なくしっかり閉めることが可能となります。
精密ドライバー
ネジ式の裏蓋を開けるために用いるのが精密ドライバー。
腕時計に使われるネジは非常に小さく精密であるため、より細くて繊細、かつサイズに合ったドライバーを使わないと、ネジがなめる(潰れる)原因となります。
【電池交換におすすめの工具】
腕時計のベルト調整(ベルト掃除)に使う工具
腕時計のベルト調整や掃除に使用する工具について見てきましょう。
金属製時計ならベルトのコマを外して長さを調整する時や、ベルトと本体を離してクリーニングする際に使用する工具です。
バンド固定台
腕時計のバンドを固定するための台。
ステンレスやチタンなどの金属製腕時計のバンドピンを取り外す際に使います。
ピン抜き棒
金属製腕時計のバンドのコマ調整に使う棒。
取り外すピンのサイズによってピン抜き棒にもいくつかのサイズが用意されています。
調整用ハンマー
主に金属製腕時計のピン抜きに使うハンマー。
コマ調整などでピンを抜く際、ピン抜き棒をハンマーで叩くことでピンを取り外します。
バネ棒はずし
ベルト部分を取り外す際に使う棒。
革製ベルトの場合、バネ棒のV字になっている側を使って本体とベルトを分解することができます。
ベルトパンチ
革製品に穴をあける専用のパンチ。腕時計の革製ベルトに穴をあけ、ベルト調整するために用います。
中には穴のサイズによって使い分けできるタイプもあります。
ピンセット
腕時計のベルト調整では細かい部品を分解する作業となるため、小さくて手で掴みにくい部品はピンセットを使うのがおすすめ。
時計専用の工具というわけではありませんが、用意しておくと便利です。
チリ吹き
腕時計の隙間に入り込んだホコリやチリを吹き飛ばすための道具。
単に自分の息を吹きかけるのに比べ、より狭い場所にピンポイントで風を送り込めるのがメリットです。
コンパウンド
金属やガラス面についた小傷・擦り傷を直すための磨き粉。
深すぎる傷には効果が見込めないものの、小さい傷についてはこれを使うことでキレイに目立たない状態にすることができます。
【ベルト調整・メンテナンスにおすすめの工具】
これらのベルト調整用工具などは多くのホームセンターや100円ショップなどでセット販売されています。もちろんAmazonなどのネットでも取り扱われているため、比較的手に入れやすい工具です。
まとめ
今回は、腕時計のメンテナンス時に使われる工具について、目的別にご紹介していきました。
最後に内容をまとめると以下の通り。
【電池交換に使う工具】
- 3点支持オープナー
- 固定台
- こじ開け
- 裏蓋プレス機
- 精密ドライバー
【ベルト調整(ベルト掃除)に使う工具】
- バンド固定台
- ピン抜き棒
- 調整用ハンマー
- バネ棒はずし
- ベルトパンチ
- ピンセット
- チリ吹き
- コンパウンド
腕時計のメンテナンス時に、簡単な作業でも専用の工具を使わずに一般的なドライバーなどを用いてしまうと、時計を傷つけたり破損させたりする可能性があります。
ご紹介してきた通り、時計のメンテナンスには腕時計の種類に合わせた専用工具を使用していきましょう。