お気に入りの腕時計を長く使い込むと、どうしても汚れが気になってきますね。
本記事では、自分で行える腕時計のクリーニング方法や注意点をご紹介していきます。
業者に依頼をするのもアリですが、できれば自分でお手入れしたいという方はぜひチェックしてみてください。
腕時計が汚れる原因
腕時計が汚れるのには様々な原因があります。
- 人の皮脂・汗
- 雨などの水分
- 砂・ホコリ
- 日光
ベルト部分には人の皮脂が付着・体積して茶色い汚れやニオイにとなって表れます。
汗や雨などの水分は放っておくとサビの原因に。
砂やホコリは気づかない間に時計の隙間に入り込んで蓄積されていきます。
日光は時計の金属やガラスの日焼けの原因に。特にガラス面は日焼けによる曇りなどの影響を及ぼします。
このように、周囲には腕時計の汚れを発生させる要因があふれているため、定期的な清掃・メンテナンスが必要となるのです。
腕時計のメンテナンスに関しては「腕時計メンテナンス工具|目的別に必要な道具をまとめて紹介」にて詳しく解説してるので合わせご覧下さい。
腕時計クリーニング前の注意点
腕時計のクリーニングを行う前には、以下の点に注意してください。
- 本体を水洗いしてはいけない
- 防水性能は事前に確認しておく
- 製品の素材を事前に確認しておく
本体を水洗いしてはいけない
最も重要なのが「本体を水洗いしない」こと。
水は時計の大敵であり、内部のムーブメントに入り込むとサビや故障の原因となります。
たとえ防水・耐水性能の高い時計だとしても、長年使っているものは経年劣化により耐水性が下がっている可能性も十分に考えられるため、できる限り水がかからないようにしましょう。
製品の素材も事前に確認しておくとよいです。金属・ステンレス・チタン・革など様々な素材があり、素材によっては使用を避けるべき洗剤があるためです。
自分で行える腕時計のクリーニング方法
業者に頼らず、自分で行える腕時計のクリーニング方法をご紹介していきます。
腕時計の掃除は主に本体とベルト部分に分かれます。
まずは本体の掃除方法、その次にベルト部分に関する洗浄方法を見てきましょう。
時計本体の掃除・洗い方
腕時計本体の部分を掃除する際は、前述した通り水に濡らさないように注意して行います。
濡れたタオルで拭いたりすることも極力避けましょう。
水分がガラス(風防)の隙間から入り込むと、ムーブメントの故障に繋がるリスクが。
また、タオルで拭くにしてもガラス面は繊細で、少し強くこすったことで傷が付いたりする可能性もゼロではないため慎重に行いましょう。
時計本体部分の掃除で用意するものは以下の通り。
- 乾いた歯ブラシ
- 綿棒
- つまようじ
- クロス(眼鏡拭き用など)
乾いた歯ブラシは本体の裏蓋やリューズ部分など細かいところを磨き、ホコリや皮脂などの汚れを落とすことができます。
綿棒などの柔らかいもので時計のいろいろなスキマ部分を掃除するのも良いです。
爪楊枝(つまようじ)も効果的ですが、先が折れて時計の隙間に入り込んだりすると、逆に故障の原因になりかねたいため注意しながら使ってください。
汚れを落とした後は眼鏡拭き用のクロスなどで優しく拭き取りましょう。
時計のガラス面(風防)についた小さな擦り傷などを消したい場合、サンエーパールと呼ばれる研磨剤を使って磨き上げる方法があります。
ですが、研磨には多少の研磨技術が必要などの観点から、自分でやることはオススメしません。専門業者に依頼する方が安全でしょう。
ベルトの掃除・洗い方
続いてはベルト部分の掃除・洗い方について確認していきましょう。
今回は以下3種類の洗浄方法についてご紹介します。
①重曹を使ったベルト洗浄
炭酸水素ナトリウムでできた重曹は、皮脂などの汚れを分解する働きがある弱アルカリ性の洗浄粉末。水に溶かして使用することで汚れを落としてくれます。
ほかにも100円ショップや薬局などで販売されている「入れ歯洗浄剤」や「眼鏡洗浄剤」などもでも代用できます。
重曹を使ったベルト部分のクリーニング方法は以下の手順。
- コップに適量の水(ぬるま湯)を入れる
- 重曹を入れる
- 腕時計のベルト部分だけを水に浸す
- 10分前後そのまま放置する
- コップから取り出す
- 乾いたタオルで水分をよく拭き取る
- ドライヤーなどでよく乾かす
注意点としては、腕時計本体を重曹には決して入れないこと。できれば時計本体からベルト部分を取り外して行いたいところです。
しかし、金属製時計のベルトの取り外しには専用の工具と知識が必要となるため、ベルトの取り外しは十分に取り扱いが分かる方が行ってください。
YouTubeには洗浄剤を使った汚れ落としの実演動画もありますので参考までにどうぞ。
参考:実験:入れ歯洗浄剤を使って時計は洗えるのか?頑固な汚れは簡単に落ちるのか?/正美堂時計店
②中性洗剤を使ったベルト洗浄
「キュキュット」「ジョイ」「エマール」など、ご家庭にある台所用洗剤(中性洗剤)を使ってベルト洗浄を行うこともできます。
何よりも家庭にあるもので洗浄できる手軽さが魅力の方法です。
- 洗面所などで適量の水(ぬるま湯)を溜める
- 洗剤を適用入れて泡立てる
- ベルト部分を浸す
- 歯ブラシを使ってブラッシング
- 水ですすぐ
- 乾いたタオルで水分をよく拭き取る
- ドライヤーもしくは日陰で乾かす
タオルで拭き取った後はドライヤーを使って乾かすこともよいです。ただし、革製ベルトにドライヤーを使うと革素材のひび割れリスクがあるため、金属製のベルトだけに限って使用しましょう。
中性洗剤を使用した時計バンドの掃除方法について解説した動画もあります。
参考:【時計メンテナンス】僕が20年やっている 時計 バンド 洗浄 です/タイムステーションNEO
③専用洗浄水を使ったベルト洗浄
専用の洗浄水「あらっ時計」という製品があります。
時計専門の洗浄水として登場したこの商品は、その強力な汚れ分解力で一時期話題になりました。
使用方法は以下の通りシンプルな3手順。
- ベルトに吹きかける
- 20秒程度待つ
- 乾いた布などで拭き取る
洗浄水を時計本体に吹きかけないようにすること。革製ベルトには使用しないことなどの注意点を守って使用すれば、非常に簡単な方法です。
実演レビュー・解説された動画もあるので参考にしてみてください。
専門業者に頼むのもアリ
時計専門店や修理業者など、時計の取り扱いができるプロにクリーニングを依頼することもおすすめです。
ベルトの取り外しや製品の素材に合った洗浄の仕方などは専門家に任せた方がより確実。「オーバーホール(分解清掃)」など、素人では手の届かない微細なところまで掃除してくれるサービスもあります。
電池交換は2,000円前後、所要時間は10~30分程度と手軽に依頼できます。
外装クリーニングは程度によりますが、相場は5,000円前後、期間は2~3週間かかる場合が多いです。
オーバーホール(分解清掃)になるとさらに高額となり10,000円以上、期間は1ヶ月以上見ておく必要があります。
これらはあくまで目安で、実際は腕時計の種類(メーカー、国産、外国産)により異なり、高級な時計ほど料金は高くなります。依頼の際は予め見積もりを出してもらうのが良いでしょう。
サビや故障のリスクを排除し、安心・安全なクリーニングを望む方はぜひ検討してみてください。
まとめ
自分でできる腕時計のクリーニング方法について解説していきました。
改めて内容をまとめると以下のようになります。
【自分で行える腕時計のクリーニング方法】
- 自分で行える腕時計のクリーニング方法は4つ
- ①時計本体部分は濡らさず掃除
- ②重曹を使ったベルト洗浄
- ③中性洗剤を使ったベルト洗浄
- ④専用洗浄水を使ったベルト洗浄
- 安全性重視なら専門業者にクリーニングを依頼するのもアリ
今回ご紹介したクリーニング方法は、自宅にあるもので簡単にできる掃除方法です。
ですが、やり方を間違えると逆に腕時計を痛める原因にもなるため、細心の注意を払いながら進めていきましょう。