高価な値段で購入した大事な腕時計や大切な人からもらった腕時計。
大切な時計だからこそ、長く使うためにはその保管方法にも気を配りたいですね。
ですが、身の回りには時計に優しくない環境・物がたくさんあります。
今回は、腕時計の最適な保管方法や保管時に気を付けたいポイントについて解説していきます。
腕時計に適切なおすすめな収納・保管ケースを紹介
クォーツ式、ソーラー式、機械式に大きく分類される腕時計。
腕時計の適切な保管方法としては保管ケースを用いるのがおすすめです。
- 落下の衝撃から腕時計を守る
- 裏蓋やリューズ部分の傷から守る
- 磁気から腕時計を守る
これら腕時計の故障を招く恐れのある外的要因から守ることができるのが保管ケースのメリットです。
各種腕時計ごとにおすすめの保管ケースをいくつかご紹介していきます。
クォーツ時計にはコレクションボックス
腕時計専用に作られたコレクションボックスは、複数の腕時計を同時に保管できるなど、収納性に優れた保管ケースです。
価格も手ごろなモノから用意でき、デザインも様々。大切な腕時計を長く使うためにも一つは持っておきたいところです。
ソーラー式時計には透明なケース
ソーラー式時計の場合、電池切れによる停止を防ぐことを考え、部屋の明かりが届く場所に置くのが良いです。
用いるケースは、ガラスやアクリル部分といった「光が差し込む構造のもの」を選らぶのがおすすめです。
機械式時計におすすめのワインディングマシーン
機械式時計の保管には「ワインディングマシーン」と呼ばれる保管ケースがおすすめ。
ワインディングマシーンは、収納しておくだけで自動的にゼンマイを巻き上げてくれる機能があり、停止によるオイル固着からの故障といった、機械式時計で起きやすいリスクを防ぐ効果があります。
腕時計の保管時に気を付けたい注意点5つ
時計にはいくつかの弱点があり、それらを知ることで腕時計の寿命を延ばすことができます。
保管時の注意点について確認していきましょう。
①磁気を持つモノに近づけない
時計は磁気に弱いと機械です。
時計と磁気を発する物(電化製品など)を長時間密着させていると、時計自体が磁気を持つ「磁気帯び」の状態に。
磁気帯びした時計は針の動きの精度が乱れたり、動き自体が停止してしまうといったリスクがあって危険です。
磁気を持つモノの例を挙げると以下の通り。
- スマートフォン
- パソコン
- イヤホン
- テレビ
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- IH調理器
身の回りにはたくさんの磁気を持つ製品が存在します。これらのモノと密着させて置かないように気を付けましょう。
目安は10~30㎝以上離すこと。とにかく密着させた状態で長時間置かないことが重要です。
②直射日光を避けて保管する
直射日光は腕時計の敵。日光は精密機械である時計の故障を招いたり、表面の色落ちなどのリスクを高めます。
直射日光があたる場所に長時間置くことは望ましくありません。室内・もしくは日陰での保管に徹しましょう。
③高温多湿の場所を避けて保管する
時計の中身はいくつもの精密な動きを実現する小さくて高精度な金属部品で成り立っています。
他の機械製品と同じく高温多湿な場所での保管は、時計の様々な部分に負担がかかります。
高温の状態が続く場所では、オイル・グリスの蒸発やパッキンのひび割れが懸念されます。
多湿の影響としては、サビによる故障の危険があります。
できるだけ高温多湿を避け、風通しの良い場所を選び保管するよう心がけましょう。
④落下する可能性のある場所に注意
強い衝撃が加わると腕時計の精巧な秒針を実現する中身(ムーブメント)に影響が出る危険があります。
高さのあるタンスの上に雑に置いたりなど、落下の可能性がある場所での保管は避けるべきです。
特に日本では地震が多い地域のため、予期せぬタイミングで腕時計が落ちる可能性もありますね。
できるなら、落下しても心配のない保管ケースに収納するのがおすすめです。
機械式時計の保管ケースには「ワインディングマシーン」のように自動的にゼンマイを巻き上げてくれたりなど便利な機能付きのものも多いです。
お財布に余裕のある方なら、専用の保管ケースを用意するのも良いでしょう。
⑤保管前にはお手入れを忘れずに
ステンレス・金属部品が多く使用されている腕時計の場合、水や脂分にも気を付けなければなりません。
使用後に保管する際は時計の汚れを十分に落としましょう。
セーム革などで乾拭きを行うなど、時計に付着した水分や皮脂をふき取ることで、時計の耐蝕性・耐久性を保つことができます。
特に、長期間利用する予定がない時計に関しては、保管する前にしっかりと汚れを落としておきたいところです。
腕時計の保管にまつわる気になる疑問
他にも腕時計の保管方法に関して疑問をお持ちの方も多いはず。
続いては、腕時計の保管方法にまつわる気になる疑問についてお答えしていきます。
保管の向きに良い悪いはあるの?
腕時計を外して保管する際の向き(姿勢)をどうするか悩む方も多いでしょう。
腕時計には姿勢によって秒数に若干の誤差(姿勢差)が生じます。
これは重力による影響ですが、これは地球上にいればどこでも生じるものである、そこまで神経質になる必要はありません。
唯一避けたいのが、「腕時計を立てリューズを下にして置く」こと。
リューズが地面にあたった状態だと、大事なリューズ部分に負荷がかかり故障に繋がるリスクが高まります。
腕時計を置く向きはリューズを下にする以外の置き方を心がけてください。
保管時に時計と一緒に乾燥剤を入れることはアリ?
高温多湿に弱い腕時計というのを理由に乾燥剤を入れて保管するという方がいますがそれはNG。
湿気を吸収する効果がある乾燥剤ですが、腕時計に差した潤滑油も一緒に吸収してしまうリスクがあります。
潤滑油が切れると、部品の摩擦が強くなり故障に繋がることも。
乾燥剤を入れたタンスなどに、腕時計も一緒に保管したりすることも避けたいですね。
腕時計から電池を取り出して保管したほうがいいの?
「クォーツ式腕時計を保管する際に、電池を取り外したほうがよいか?」という疑問を持つ方がいます。
これはズバリ、長期間利用する予定がないのであれば、電池を抜いておくのはアリです。
乗り物と同じで、電池を抜けば電池切れを起こす心配がなくなります。これは電池切れによる液漏れのリスクも回避することに繋がるためです。
なお、切れた電池は液漏れの危険があるため、速やかに交換することを推奨します。
保管場所に最適な温度・湿度はあるの?
保管に最適な温度・湿度に関しては、そこまで気にする必要はありません。
基本的には極端な極寒・灼熱状態の場所でなければ腕時計の品質は保たれるためです。
事実、多くのメーカーは耐熱試験を行っていて、厳しい試験をクリアしたものが販売されています。
国内有名メーカー、CITIZEN(シチズン)の公式サイトではこのように紹介されています。
弊社製品については+60℃までは耐熱試験をクリアーしております。 通常では空気の対流によりこの温度までは上がりませんので問題ありません。
よくあるご質問|CITIZEN
ただし、真夏に車のダッシュボードに置きっぱなしにしたり、サウナに置き忘れたりなど、かなりの高温・多湿状態になる場所は危険ですので注意するようにしましょう。
腕時計の保管方法まとめ
今回は、腕時計の保管方法を中心にご紹介していきました。
最後に内容をまとめます。
腕時計の保管方法と注意点
- 保管にはケースに入れるのがおすすめ
- 磁気から離して保管
- 直射日光・高温多湿を避けて保管
- 落下の危険がある場所を避けて保管
- 保管前にはお手入れを忘れずに
保管方法にまつわる豆知識
- 腕時計を置く際はリューズを下にしないよう注意
- 保管時のケースに乾燥剤を一緒に入れるのはNG
- 長期的に使わないクォーツ式時計は電池を外すと良い
- 保管時に温度・湿度を細かく気にする必要はナシ
既に腕時計をお持ちの方も、これから購入を検討している方も、腕時計の保管の際には本記事の内容を改めてチェックして頂ければと思います。
お気に入りの1本が少しでも長く愛用できるようになれば幸いです。
- 腕時計のつける位置
- 腕時計のベルト調整
- 腕時計の保管方法
- 腕時計のベゼルの外し方
- 腕時計を長持ちさせる方法
- 蛇腹ベルトの交換